たまには歯科のことについて書いてみます。メージャーな新聞のニュースにもなっていたので。
僕の入学した頃の歯学部は、すでに定員削減が始まり(僕の入試のときから定員が80人から60人に減少)、将来が見え始めていましたが、その感覚が一般の人々にも浸透して、さらにあまりの低収入に歯医者の子供も歯学部に入らない(入れないのではなく、跡を継がせない、僕もそのつもりです)という現象が本格化し始めているようです。
去年から、定員を満たさない歯学部がどんどん増加し、今年はとうとう私立の歯学部17校のうち11校が定員割れ、ひどいところは定員90人のところ32人しか入学しなかったようです。
2010年4月30日03時04分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100430-OYT1T00120.htm
確かに、普通の人にとっては、歯医者が余れば競争が激しくなりコンビニのようになりサービスとしては便利になる感じがあると思います。ただ、競争が激しくなればなるほど当然経営は苦しくなるのでどこかで経費を削る必要が出てきます。質を落とさず一定の水準を維持するにも限界があると思います。公共の性質を持ちながら競争のあるサービス業という矛盾のある仕事ですが、競争が激しくなれば、きっと公共の側面はどんどん薄れていくでしょう。
そして、実は問題なのが、大変な仕事でも収入が多ければ人気のある職種になるのですが、収入が少なくなれば人気のない職種になります。人気がない仕事は、当然優秀な人材が集まりません。つまり、歯医者が増えても良い歯医者は減り続けるのです。それは、治療を受ける人たちが困ることになるのです。良い歯医者がいないという話をよく聞きますが、当然の結果なのです。
本当に困りましたね。
医療費も医療政策も国が決めるため、僕たちには何も出来ません。
その前に、当院も後何年続けられるのでしょうか。
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