
僕は雪が降っているのは大好きです。
災害や事故などいろいろなことは置いておき、その事象自体が好きです。
なかでも、すべての音を消し去ってくれるような感じが好きです。
音が無いからこそ、かすかな雪の降る音が聞こえてきます。
自分自身の音が内側から伝わってきます。
北海道が大好きなのは、たぶん、梅雨が無い(蝦夷梅雨はあるが)とか、夏が涼しいとか、食べ物がおいしいとか、
そんなことではなく、
雪の持っている静寂が好きだからです。
9年も北海道に住んでいたので、雪国の生活は少し知っています。
水道管が破裂したり、
部屋の中で洗濯物が凍っていたり、
屋根の雪が落ちてきて窓ガラスが割れたり、
寝ている布団の息の掛かるあたりが凍りついていたり、
鍵穴が凍って車に入れなくなったり、
車のタイヤがロックして坂道でトラックに追突しそうになったり、
坂道発進の信号待ちが恐怖だったり、
30cmも圧雪された雪の降り積もった道路に開いた新雪に隠されて見えないマンホールのフタの落とし穴に落ちたり、
鼻毛とまつげが凍ったり、
と、笑いのネタ程度には北海道の生活を知っています。
それでも、雪のイメージは僕の心に安らぎを与えてくれます。
深々と降る雪の中、熱いコーヒーを飲みながらひとり読書をし、その世界に溶けていく。
そんな世界が、僕の理想。
でも今は、エアコンの効いた部屋の中で、今日は冷えるなぁと言いながらもビールを飲みチョコをつまみ、うなるエアコンの音を聞いています。
写真は、以前と同じTKさんからの写真です。(転載不可)
僕にはこの季節の山に行く勇気も気持ちも体力も時間もありませんが、本当にうらやましい世界です。